これまで働いた会社は、前の会社も
その前の会社も社員の年齢層が高かったせいで
職場で自分の歳を感じることは無かった。
けれど、今度の会社は私より年上が3人
そして同じ歳は2人しかいない。
当たり前かもしれないが、いざ実感してみると
これがなかなかショックだったりする。
 
それでも半月を過ごしてみて思うことは
社長の言ったように悪い人はいないということだ。
それぞれクセはあるのだろうが
今のところイヤな印象を持った人は1人もおらず
私は毎日楽しく出社している。
 
やはり営業だった元旦那と同じように
営業課の男性たちは人当たりが良く調子も良く
口もうまく、口ばかりで・・・もとい。
これは元旦那のことだった。
とにかく明るく愉快な人たちばかりである。
フロアは活気があり、会社の電話もよく鳴るが
同時にそれぞれの携帯電話もよく鳴る。
着信音はそれぞれが何やら分からないメロディーだ。
 
ところが昨日突然、Fさんの会社の携帯が壊れた。
外出の多い営業の彼に携帯は必需品である。
すぐに手配した新しい携帯は
今日、彼が出かけている間に届いた。
早速うちの課のNさんがデータを移すなどして
すぐに使えるように設定を済ませ
Fさんのデスクに置いておいた。
 
しばらくすると、どこからか声が聞こえて来た。
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ・・・」
それは仕事中、あちこちで聞こえて来る言葉である。
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ・・・」
それでも、こんなに繰り返さなくてもいいのにと思った時
みんなが笑い出した。
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ・・・」
Fさんの声にも聞こえるそれは
「父さん犬」のしゃべる着信音だったのである。
超~ウケる~~!
 
1度は止まったその声は、しばらくしてまた始まった。
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ・・・」
これが私のツボにドンピシャで
その後も2回電話がかかるたびに鳴る
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ・・・」
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ・・・」
という声に笑いコケた。
 
夕方、本人が帰って来ると
電話はまたもそのタイミングで鳴った。
「ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ、ヤバイヤバイ・・・」
モチロン本人にウケたのは言うまでもないが
私は当分この声が耳から離れなさそうである。
 
電話が鳴り、メロディーが鳴り、父さん犬がしゃべる・・・。
考えただけでも賑やかな職場である。